• コンシャストラベル Conscious Travel

環境保護や地域社会、経済に対してプラスとなる「コンシャス(意識の高い)トラベル」が広がる。コロナ禍がSDGs(持続可能な開発目標)をあらためて意識づける契機になった。デスティネーションの選択、行動において、意識の高いツーリストが増加する。まず、日本人の国内旅行で目覚める人が増えていく。

  • サスティナブルツーリズ Sustainable tourism

「持続可能な観光」を求める考え方や行動。90年代から取り組まれている観光スタイル。エコツーリズムがその代表。「環境」「地域」「経済」の3つの観点において持続が可能な観光。フィンランドでサステナブルな旅をするための10のヒントには水道水を飲む、荷物を少なくするなど具体的な行動指標を挙げて実践。

  • レスポンシブルツーリズム Responsible tourism

「レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)」。地域側で「来て欲しい」人を明確にイメージし、旅行者の意識や行動にも一定の責任をもってもらうことで、より良い観光地を作っていこうという動き。地域が旅行者を選ぶ時代になる。まず、日本人の国内旅行で浸透させたい考え方。

  • リジェネラティブトラベルRegenerative travel

サステナブルを超えるリジェネラティブトラベル、「再生可能な旅(regenerative travel)」。「環境に優しい」にとどまらず「環境をよくする」という考え方。その観光地を以前より良くする観光。まず、日本人の国内旅行で浸透させたい考え方。

  • コミュニティツーリズムCommunity tourism

地域の歴史や文化、産業、暮らしなど、その地域でしか体験できない魅力を楽しむ旅行のスタイル。地域住民のつながりを大事にした旅行スタイル。収益は地域に公平に配分される。世界中で広がりを見せる、新たな観光まちづくりのスタイル。

  • マイクロツーリズム Micro tourism

地元や近隣への短距離観光のこと。近場を楽しむ旅。アフターコロナもしばらく続く旅のスタイル。旅行会社、宿泊施設、観光施設も積極的に取り組み、国内旅行活性化の入り口にしたい。地域資源の掘り起こし、地元地域のまだ知らなかった魅力を再発見、地域の人々との交流などが期待される。

  • アドベンチャーツーリズム Adventure tourism

「アクティビティ、自然、異文化体験の3要素の内、2つ以上で構成される旅行」のこと。アウトドアのアクティビティの総称、「楽しみ」の要素が中核にある。高付加価値な旅行商品と長期滞在旅行のスタイル。開放的を求めるアフターコロナのニューノーマルの旅行になる可能性が大きい。

  • フードツーリズム Food tourism

食の多様化やグローバル化が進行。インバウンドの増加に対応するには、ベジタリアンやヴィーガン、ハラール、コーシャなどの食の規律に対応が必要である。インバウンド再開の前に準備しておかなくてはならない。あわせて、世界にアピールできる地域の食を活かした美食都市を作り上げるチャンス。

  • コンテンツツーリズム/アニメツーリズム Content tourism / Anime tourism

ステイホームの中で、映画、ドラマ、アニメ、マンガを見る機会が増加。老若男女、一人ひとりの個性豊かな聖地巡礼が始まる。  『鬼滅の刃』の快挙、海外でも大ヒット、『君の名は。』を上回る。どの国でもステイホームが続く中、アフターコロナの日本訪問誘致の起爆剤にする。

  • ラグジュアリーツーリズム Luxury tourism

富裕層マーケットを対象にした、豪華で、嗜好性が高い、パーソナルな、特別感のある旅行。まず、毎年海外旅行を楽しむ日本人富裕層をターゲットに、定着させたい。高級老舗旅館、クルーズ客船、クルーズトレイン、プライベートガイド、様々な資源がある。

  • グランピング Glamping

「Glamorous(グラマラス)」と「Camping(キャンピング)」を組み合わせた言葉。「優雅で魅力的なキャンプ」という意味。開放的、密にならない旅。グランピング施設ではキャンプ用品や食材・食事などがあらかじめ用意されていていて、気軽に豪華なキャンプを楽しむことができる。グランピングリゾートもできている。

  • ワーケーション Workation

「Work(ワーク・仕事)」と「Vacation(バケーション・休暇)」を組み合わせた造語。オフィスを離れ、どこかで休暇を過ごしながら働くことだ。休暇中、特に旅行先でテレワークを行うこと。アフターコロナのニューノーマルとして定着する。観光業界が積極的に対応することでさらに普及が期待される。

  • スマートツーリズム Smart tourism

VRやARを利用した観光体験のほか、旅行中の旅行者の興味や混雑状況、天候などのリアルタイム情報を提供。先端技術と観光地、旅行者のデータを駆使して、新しい価値を創造する観光。確実に浸透していく旅のスタイル。スマホやタブレットが必需品となる。

  • バーチャルツーリズム/オンラインツアー Virtual tourism / Online tour

VRなどを活用して、目的地やホテルを探索するユニークでイマーシブ(没入型)な体験する仮想旅行。3密が避けられ、移動が不要、リアルとは違う価値の提供ができる。オンラインからオフラインへうまく誘導することがポイント。リアルな旅行の下見としても活用期待。海外旅行復活のきっかけになるか。

  • 観光DX(デジタルトランスフォーメーション)  Tourism Digital Transformation

旅行業界には今、最新のデジタル技術を活用した新しいビジネスモデルの創出が求められている。コロナ禍を機にデジタルフォーメーションによる事業変革が積極的に進めなければならない。異業種との連携を見据えた観光プラットフォームの構築も期待される。少ない人材で効率的なオペレーションを可能にする。

  • ダイバーシティ Diversity

様々な国の人々を迎える、日本の観光産業は率先してダイバーシティ、多様な人材を積極的に活用していかなくてはならい。社会的マイノリティはもちろん、性別や人種、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、外国人旅行者を迎え入れる。日本の印象アップ。アフターコロナがチャンスとなる。

  • 関係人口 Related population

移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指す。「観光以上移住未満」と例えられる。コロナ禍中、テレワーク、リモートワーク、2拠点生活、ワーケーションなどの定着により増加の可能性大。観光産業の新たな活躍の場となる。

  • アフターインスタ映え After instagrammable

インスタ映えする風景、食などが、若者だけでなく多くの人々の観光行動を誘発してきた。これからは生活に役立つリアルな情報、ナチュラルな日常、「加工」や「盛り」で作り込まれたフォトジェニックな写真ではなく、自分が実際に訪れた時のイメージが湧く写真が好まれていく。日本の本物の風景をアピール。

  • フライトシェイム Flight shame

移動のための手段として、温室効果ガスの排出量の大きい飛行機を利用することを恥とし、鉄道など他の移動手段を選択したり進めたりすること2018年にスウェーデンで始まり、ヨーロッパ全体に広がった飛行禁止運動。人々に飛行機の利用を思いとどまらせることを目標としている。

  • オーバーツーリズム Over Tourism

観光地において、旅行者の著しい増加により、地域住民の生活や自然環境、景観等に対して受忍限度を超える負の影響をもたらしたらす状況。観光公害とも呼ぶ。インバウンド増加による京都などが話題になる。コロナ禍、訪問者激減により、各観光地落ち着きを戻しているがポストコロナの対応が課題。

  • リベンジトラベル Revenge travel

コロナ禍のロックダウンや旅行自粛などの抑圧からの解放に伴う、報復的な旅行、逆襲する旅行が、コロナ収束地域で拡大している。中国などで見られる観光現象。より長い旅行に早く行きたいと考える人が、全世界で見られる。ポストコロナでの旅行消費意欲の爆発が起こる可能性がある。

  • MICE(マイス)

MICE(マイス)とは、Meeting(会議、研修、セミナー)、Incentive Travel(招待旅行)、ConventionもしくはConference(国際会議、学会)、ExhibitionもしくはEvent(展示会)の頭文字をとった造語。宿泊を前提に多くの集客が見込まれるビジネストラベルのこと。一般的な観光旅行よりも1人当たりの旅行消費額が大きく経済効果が見込めるほか、交流による国や都市の競争力向上が期待できる。MICE誘致はアフターコロナのインバウンドにおける最大の課題。

  • ホカンス Hocance

ホカンスとは、ホテルに宿泊・滞在し、主にホテル内でレストラン・バーやスパ、プール、アクティビティなどをバカンス気分で楽しみながら休暇を取ること。英語の「hotel(ホテル)」と長期休暇を意味するフランス語「vacances(休暇)」を組み合わせた韓国生まれの造語。

  • ステイケーション Staycation

ステイケーションとは、個人や家族が、通常の旅行のように遠出をせず、自宅にいながら、もしくは近場に宿泊施設に滞在しながら休暇を楽しむこと。「stay(滞在する)」と「vacation(休暇)」を組み合わせた造語。安全に心や体を休める方法として注目されている。

  • サブオービタル飛行 Sub-orbital flight

サブオービタル飛行とは、砲弾のように放物線の軌道を描く飛行のこと。地上を出発して高度約100kmまで上昇した後、地球周回軌道(オービタル)に乗らずに地上へ帰還する飛行のことを指す。「弾道飛行」「準軌道飛行」ともいう。現在は、民間企業も開発に参入し、サブオービタル飛行による宇宙旅行は「サブオービタル旅行」と呼ばれる。

  • ETD Estimated time of departure

ETDとは、航空機や船舶などの「出発予定時刻」のこと。もともとは貿易用語で、荷物などの「出荷予定時刻(出荷予定日)」を表す英語の略語である。ETDに対し、「到着予定時刻」は「ETA (estimated time of arrival)」である。近年、人間の出発や到着にも使える言葉なので、旅行業や観光業でも使用されている。

  • ジオターゲティング Geotargeting

ジオターゲティングとは、IPアドレスやGPS、Wi-Fiなどから利用者の位置情報を取得し、セグメント化してマーケティングに利用する手法のこと。インバウンドにおいて、居住地を離れて観光地を旅行中の旅行者はへの広告効果は高い。位置情報を活用して配信する広告のことを「ジオターゲティング広告」という。

  • サブスクリプション Subscription

サブスクリプションとは、「定期購読、継続購入」を意味し、一定期間利用できる権利に対して料金を支払うビジネスモデルのこと。サブスクリプションサービスとは、顧客が月1回、年1回などで料金を支払って受けられるサービスを指す。日本では、略して「サブスク」と呼ばれることが多い。観光サービスも「サブスクリプション化」が進んでいる。これは提携している観光・レジャー施設に定額で入場できるサービスのことをいう。

  • 旅マエ・旅ナカ・旅アト

インバウンドマーケティングにおいて、訪日外国人旅行者の行動を表した言葉。「旅マエ」は、訪日外国人の旅行前に宿泊先やレストラン、ショッピング、観光スポットなどを調べる段階のこと。期間は、旅行する1か月〜4か月前。「旅ナカ」は、観光地を訪問、周遊、滞在し、食事やショッピングを楽しむなど、旅行中の段階のこと。「旅アト」は、訪日外国人が母国へ帰り、旅行の思い出を語り、余韻に浸る期間。期間は、1か月間程度。旅マエ・旅ナカ・旅アト、各段階において適切なアプローチをすることが、インバウンドマーケティングにおいて重要となる。